「なんだか口の中がネバネバする…」
「ネバつきが、口臭の原因になってるんじゃないか?」など
そんな不安を感じていませんか?
特に30〜50代の方は、仕事や家事、子育てなどに追われる日々のなかで、お口のちょっとした変化に気づいても、そのままにしてしまうことが少なくありません。
近年では、お子さんの「口呼吸(いわゆる“お口ぽかん”)」が増加傾向にあり、これが原因で口腔内が乾燥し、ネバつきを感じるケースが見られます。
また、60代以降に増えてくる入れ歯の使用も、清掃状態や適合によっては、口のネバつきの一因となることがあります。
今回は、こうした「口のネバネバ」について、ご自身はもちろん、ご家族のケアにも役立つ原因や対策を、歯科の視点からわかりやすく解説いたします。
ネバネバの正体は?|唾液の減少とお口の菌のバランスの乱れ
口の中がネバネバする原因の多くは、唾液の量が減ることと、細菌が増えることです。
唾液には、お口の中を洗い流す「自浄作用」や、菌の繁殖を抑える「抗菌作用」があり、お口の健康を守る大切な役割があります。
その唾液が減ってしまうと、細菌が増えやすくなり、舌が乾いたり、口臭が出やすくなったりするのです。
ネバつきが気になる!口臭がだいじょうぶかな…
実際に、ネバつきとともに「口臭がしているかも…」と感じる方は少なくありません。
ネバネバそのものが口臭の原因というより、唾液の減少によって細菌が増えることで、結果的に口臭の原因になっていくケースが多いのです。
つまり、「ネバつきが気になる=口臭リスクが高くなっている状態」と考えて、早めのケアが大切です。
年代別に見るネバネバの背景
30〜50代のネバつきの主な原因
働き盛りである30〜50代は、ストレスや生活習慣の影響を受けやすい世代です。
ネバつきが起こる原因
- 睡眠中の口呼吸
- 忙しさによる水分不足や口腔ケアの不足
- 舌の汚れ(舌苔)や歯周病の初期症状
- 女性は更年期の影響で唾液の分泌量が減ることも
- 血圧やアレルギーの薬の副作用で口が乾くことも
- 歯周病が原因でお口がネバネバ
ネバネバのサインは「まだ大きな病気ではないけれど、放っておくと口腔内のネバつきが悪化するかもしれない」というお口からの小さなSOSです。
歯周病が原因のお口のネバネバ
どうして歯周病でネバつくの?
お口のネバネバの大きな原因のひとつが歯周病です。
唾液の分泌が少なくなると、細菌を洗い流す力が弱まり、歯ぐきに炎症を起こす細菌(歯周病菌)が繁殖しやすくなります。そして歯周病のリスクが高まります。
この歯周病菌や炎症によって、唾液の性質が変化し、ネバつきを強く感じやすくなるのです。
また、歯周病による歯ぐきからの出血や膿が混ざると、より一層、口の中が重たい感じになり、不快感や口臭の原因にもつながります。
歯周病のサイン
- 朝起きたときの強いネバつき
- 歯を磨いてもすぐにネバネバする
- 歯ぐきからの出血や腫れ
- 口臭が気になる
これらの症状があると、歯周病が進行しているサインかもしれません。早めに歯科でのチェックを受けることが大切です。
子どもに増えている「お口ぽかん」と口呼吸

出典:新潟⼤学 大垣女子短期大学
鹿児島大学
近年では、子どもの間でも「口呼吸」の傾向が増えています。
実際、小学生の約30%が口呼吸をしているという報告もあります。
日本人の⼦どもたちの 30.7%が日常的なお口ぽかんを示していました。
新潟⼤学⼤学院医⻭学総合研究科、⼤垣⼥⼦短期⼤学⻭科衛⽣学科、⿅児島⼤学病院⼩児⻭科(2021年2月17日)
子どもの“お口ぽかん”の有病率を明らかに
口呼吸の要因
- 鼻づまりやアレルギー
- 口の筋力の低下
- 生活習慣の変化
(柔らかい食事・マスク習慣)
こうした背景で「口呼吸(お口ぽかん)」が続くと、虫歯や歯並びの悪化、口臭のおそれが出てきます。そしてお口の中が乾燥すると唾液が減り、ネバネバの原因になります。
60代から気をつけたい入れ歯によるネバつき
入れ歯の使用が始まる年代になると、また違った原因が関係してきます。
入れ歯に伴うお口のネバつき
- 入れ歯の内側に汚れがたまりやすい
- 合わない入れ歯で粘膜が炎症を起こす
- 唾液の流れが妨げられる
- 夜間も入れ歯をつけたまま寝てしまう
こうした状態が続くと、細菌やカビが増えやすく、ネバつきや不快感、口臭のもとになることも。
40〜50代からの部分入れ歯でも同様のことが起こり得るため、早めのケアも大切です。
今日から始められる!ご家庭でのネバつき対策
まずは、毎日のちょっとした習慣から見直してみましょう。
自宅でできるケア
ご自宅でのケアとしては、まずこまめな水分補給を心がけましょう。
就寝中の口呼吸を防ぐために、鼻呼吸を意識したり、寝るときに口を閉じるテープを使ったりする方法もおすすめです。
また、舌の表面についた汚れ(舌苔)を、専用の舌ブラシでやさしく取り除くのも効果的です。
さらに、頬やあごの下を軽くマッサージする唾液腺マッサージや、よく噛んで食べる習慣も、唾液の分泌を促してネバつきの予防につながります。
入れ歯を使っている方は、毎日の洗浄を忘れずに行い、就寝時は外してお口を休ませることも大切です。
- 十分な水分補給(1日1.5〜2L)
- 鼻呼吸を意識する(寝るときは口閉じテープもおすすめ)
- 舌ブラシで舌苔をやさしく除去
- 唾液腺マッサージ(頬・あご下を指でやさしく押す)
- 入れ歯は毎日洗浄し、就寝時は外して休ませる
- ガムを噛む・よく噛む食事で唾液の分泌を促進
歯科でできること|専門的な視点でしっかりケア
ご自宅でのケアとあわせて、歯科でのチェックや治療を取り入れることで、ネバネバの根本的な原因に対応できます。
歯科で行うケア
- 歯周病・虫歯のチェックと治療
- 舌や粘膜の状態確認
- 口腔乾燥の診断
- 入れ歯の調整・洗浄・再作製のご相談
- 口呼吸のセルフチェックと改善アドバイス
ネバつきの背景に歯周病
「ちょっとネバつく」程度の違和感でも、歯周病が原因で起きていることは少なくありません。
とくに、初期の歯周病は痛みなどの自覚症状が少ないため、「ネバネバする」「口の中が気持ち悪い」と感じたときが、実は歯周病の始まりだったというケースも少なくありません。
ネバつきは“お口からのサイン”として早めの対応が大切です。
歯周病のケアも早めが大切
歯科医院では、歯周病の進行度をチェックし、必要に応じて歯石除去やクリーニング、炎症のケアを行います。
定期的なメンテナンスは、ネバつきの改善だけでなく、歯ぐきの健康維持にもつながります。
お口の変化に気づいたら、早めのケアを
・「ネバネバするけど、治す方法あるかな?」
・「自分だけじゃなくて、子どもの口も心配…」
・「入れ歯をいれると、最近よく口をゆすぐ」
そう思ったときこそ、歯科医院に相談するタイミングです。
ネバつきが生じた時には、唾液の問題や口腔内の細菌バランスの乱れなど、見えない変化があることも。
当院では、ご自身のネバつきはもちろん、お子さまの口呼吸、入れ歯のご相談まで、幅広く対応しています。
気になることがあれば、どうぞお気軽にご相談ください。
お口の中の「小さな違和感」に気づくことが、健康への第一歩です。
お子さんからご年配の方まで、お口の健康をしっかりサポートします
単なる不快感にとどまらず、口臭や歯周病のサインとなっていることもあります。
ご自身のお口の状態はもちろん、お子さんの口呼吸や、シニア世代の入れ歯ケアなど、家族みんなのお口の健康を見直すきっかけになるかもしれません。
当院では、お一人おひとりの状態やライフステージに合わせて、丁寧にサポートしています。
気になることがあれば、どうぞお気軽にご相談ください。「少し気になる」その段階でのご相談が、将来の大きなトラブルを防ぐ第一歩になります。
お口のことなら、どうぞお気軽にご相談ください。
ご家族皆さまの健康を、私たちがしっかりとサポートいたします。