はじめに-「気になるけれど…ホワイトニングって本当にしても大丈夫?」


歯のホワイトニングは、近年ますます関心が高まっている処置のひとつです。
GC社の調査では、実に約65%の方がホワイトニングに興味を持っているという結果が出ています。また他の調査では特に10代の女性を中心に、見た目への意識の高まりが背景にあると考えられます。
しかし、「歯に悪いのでは?」「若いうちにして大丈夫?」と不安に思う声も多く、判断に迷われる方が多いのも現状です。
本記事では、ホワイトニングの基本から注意点まで、歯科医師の視点でわかりやすくご紹介します。
ジーシー調べ インターネット調査20~69歳 10,000名(2024/6)
ホワイトニングの施術意向を伺ったところ、女性は10代が抜きん出て意向が高い結果
新生活時期のホワイトニング意識調査(2025年4月21日)
全世代の中で最もホワイトニングに興味関心が高いのは10代女性男性は10代〜50代が幅広く興味があり、男女の差も明らかに。
ホワイトニングってどんなもの?
ホワイトニングとは、歯の表面にある着色や黄ばみを専用の薬剤で分解し、歯を自然な白さへ導く処置です。
方法には2つあり、目的やライフスタイルに合わせて選ぶことが可能です。
オフィスホワイトニング
歯科医院で行う方法。専用の機器と薬剤を用いて、1回の施術でも効果を実感しやすいのが特徴です。
ホームホワイトニング
医院で作製したマウスピースと薬剤を用いて、自宅で継続的に行う方法です。自然で持続性のある白さを目指せます。
どんな人におすすめ?
以下のような方には、ホワイトニングが大きな効果をもたらすことがあります。
- 就職活動・結婚式など、大切なイベントを控えている方
歯が白くなることで、第一印象や写真映りがぐっと良くなります。 - 人前で話す・笑うことが多い方
営業や接客など、口元の印象が仕事にも関わる場面で効果を発揮します。 - 黄ばみや着色が気になって自信が持てない方
自然な白さを取り戻すことで、笑顔に自信が持てるようになります。
ホワイトニングを避けた方がいい人
ホワイトニングには適さない、または慎重に進めるべきケースもあります。
- 虫歯や歯周病がある方
処置前に治療を優先しなければ、薬剤が患部を刺激するおそれがあります。 - 知覚過敏の症状が強い方
しみる症状が一時的に悪化する可能性があるため、慎重な対応が必要です。 - 妊娠中・授乳中の方
安全性が明確ではないため、原則としてお控えいただくことが望ましいとされています。 - 人工歯(詰め物・被せ物)が多い方
ホワイトニングは天然歯のみに作用するため、仕上がりに差が出ることがあります。 - 16歳未満の方
歯の発育が完了していないため、基本的には対象外となります。 - テトラサイクリン歯の方
幼少期にテトラサイクリン系抗生物質を服用した影響で、歯の内部に沈着したグレーや濃い色の変色は、通常のホワイトニングでは十分な効果が得られない場合があります。
改善を希望される場合は、ホワイトニング以外の方法(セラミックによる被せ物等)を検討することが適切です。 - 神経のない歯(失活歯)
虫歯や外傷などで神経を失った歯は、内部から黒ずんでくることがありますが、一般的なホワイトニング薬剤は歯の表面にしか作用しないため、効果が出にくいことがあります。歯科医師による判断のもと、別の処置(ウォーキングブリーチや補綴治療など)を選択する必要があります。
10代や若い世代のホワイトニングは?
ホワイトニングに最も関心を持っているのは、10代女性というデータもあります。しかし、成長期にある歯に対しては慎重な判断が求められます。
通常、ホワイトニングは16歳以上が対象とされています。これは、歯の表面を保護するエナメル質が16歳頃までに完成するためです。しかし多くの歯科医院では18歳以上を推奨している医院が多いです。
子どものホワイトニングは注意が必要です
近年、美容への意識が高まるなか、小中学生や高校生からも「ホワイトニングを受けたい」という相談が増えています。
しかし、子どもの歯はまだ発育途中にあり、知覚過敏や薬剤の影響を受けやすい状態であることから、安易な実施は避けるべきです。
若年層のホワイトニングで気をつけたいこと
- エナメル質が未成熟な場合、薬剤の刺激が強く出ることがある
- 歯の色の原因が汚れや虫歯、乳歯とのコントラストであるケースもある
実施を検討する場合のポイント
- 16歳以上を目安とし、歯の状態が安定していること
- 虫歯や知覚過敏の有無を歯科医師が確認
- 保護者の同意と歯科医院での管理下で安全に進めること
16歳以下の保護者の方へ
「歯を白くしたい」と思う背景には、見た目への意識や自己肯定感の影響があることも考えられます。
過度に否定せず、正しい情報とともに一緒に判断していくことが、お子さまの安心と将来の歯の健康につながります。
セルフホワイトニングと歯科医院のホワイトニングの違い
「ご自身で市販の製品でのセルフホワイトニングやホワイトニングサロンでも十分ではないか?」とお考えの方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、それぞれの方法には効果や安全性、持続性などに大きな違いがあります。
以下の表に、主な比較ポイントを整理しました。
比較項目 | 歯科医院(オフィス/ホーム) | セルフホワイトニング(市販・サロン) |
---|---|---|
白さの効果 | ◎ 専用薬剤でしっかりと白くなる | △ 着色の除去が中心、白さに限界がある |
安全性 | ◎ 歯科医師の管理下で安心 | △ 自己判断による誤使用のリスクがある |
スピード | ◎ 即日〜数回で効果を実感 | △ 徐々に変化、効果を感じにくいこともある |
コスト | △ 数万円〜(保険外) | ◎ 数千円〜(手軽に始めやすい) |
持続性 | ◎ メンテナンス次第で長持ち | △ 効果が短期的、継続使用が必要なことが多い |
注意すべきポイント
歯科医院では、処置後にしみるなどの症状が出た際にも即時の対応が可能です。
一方、セルフホワイトニングでは、効果の限界やトラブル対応の不十分さが課題となる場合があります。
ホワイトニングを始める前に確認しておきたいこと
ホワイトニングを安全かつ効果的に進めるためには、以下の点を事前に確認しておくことが重要です。
- 現在、虫歯や歯周病がないか
処置前に口腔内の健康状態を確認することが必須です。 - 知覚過敏の有無
症状がある場合は、事前の対策や方法の選択が必要です。 - どの程度の白さを希望するか
過度な期待を避け、実現可能な範囲を歯科医師と共有することが大切です。 - オフィスホワイトニング/ホームホワイトニングのどちらが自分に合っているか
目的やライフスタイルに応じて適切な方法を選びましょう。 - 費用・期間・メンテナンスについて十分に理解しているか
事前に確認することで、納得感を持って治療に進むことができます。
※ホワイトニングは自費の治療です。
歯が白い男性は年収が高い?〜男性にもおすすめのホワイトニング〜
清潔感のある口元は、性別を問わず、対人関係や印象に大きく影響する要素です。
特に営業職や接客業、管理職など「人前に立つ機会が多い職業」では、白い歯が信頼感や好印象につながる場面が多く見られます。
「歯が白い男性は年収が高い」というデータは、海外の印象調査などから広まりました。明確な因果関係はありませんが、自己管理ができる人物として評価される傾向は確かにあると考えられます。
近年では、ビジネスパーソンの間でもホワイトニングが一般的になりつつあり、男性にもぜひ検討いただきたい選択肢の一つです。
よくある質問
A:適切な方法で行えば、歯を傷めることはありません。
市販製品の誤使用や濃度の高すぎる薬剤はリスクを伴うため、歯科医院での管理が推奨されます。
A:一時的に「しみる」「ズキッとする」といった症状が出ることがあります。
多くは24〜48時間以内におさまりますが、症状が強い場合には歯科医師が適切に対応します。
A:処置後24時間は、コーヒー・赤ワイン・カレーなどの着色しやすい食品の摂取は控えることが望ましいです。
また、喫煙も色戻りを早める要因となります。
A:保険は適用されません。
ホワイトニングは見た目をきれいにすることを目的とした審美治療のため、健康保険の対象外です。すべて自費での診療となります。費用については、事前にご説明いたしますのでご安心ください。
まとめ:ホワイトニングを安心して選ぶために
ホワイトニングは、見た目の美しさだけでなく、「笑顔に自信が持てるようになった」「人前で自然に話せるようになった」など、心の前向きな変化にもつながります。
ただし、すべての方に同じ効果があるわけではなく、お口の状態や年齢、生活習慣によって、向いている方法はそれぞれ異なります。
- 自分に合った、安心できる方法を選びたい
- お子さまの希望について、正しく判断したい
- セルフホワイトニングとの違いやリスクもきちんと理解しておきたい
そうお考えの方は、まずは歯科医師にご相談いただくことが、安心して進める第一歩です。
当院では、お一人おひとりのご希望やお口の状態を丁寧にお伺いしたうえで、
– 即効性を重視した「オフィスホワイトニング」
– ご自宅でじっくり取り組める「ホームホワイトニング」
といった選択肢をご案内しています。
また、「よりしっかり白くしたい」「白さをできるだけ長く保ちたい」という方には、
両方のメリットを活かせる『パーフェクトホワイトニング』という方法もご用意しています。
スピーディーに効果を実感しながら、白さを長く楽しめるおすすめのプランです。

ホワイトニングは、年齢や歯の状態によっては、注意が必要です。また歯をどれぐらい白くするのか、ご自分にあったホワイトニングの方法はどの方法かなど、歯科医師と相談されることをおすすめします。
「自分に合ったホワイトニングを知りたい」「一度相談してみたい」
そう感じたときが、最初の一歩のタイミングかもしれません。
私たちは、その一歩にしっかり寄り添い、あなたの笑顔と健康をサポートいたします。