
歯が欠けてしまったときの対処法

歯が欠けてしまった
食事中に歯が急に欠けるということは、欠けやすくなった理由があることが多いです。
歯が欠ける原因として主な原因は4つです。
歯が欠ける4つの原因
むし歯
むし歯菌によって、外側のエナメル質に穴があき、内側の象牙質へむし歯が進行してしまうと、柔らかい象牙質が先に溶けていってしまいます。
そうすると内側が空洞になるため、気付かないうちに歯が脆くなり、食べ物を噛んだだけでも歯が欠けてしまいます。
虫歯治療について
歯ぎしり
歯ぎしりや食いしばりは、想像以上に大きな力が歯にかかります。
その力は、体重の約2〜3倍と言われ、長時間、力がかかり続けていると歯が欠けてしまうのです。
特に神経がない歯は弱く、そのリスクは高くなります。
歯ぎしりは、睡眠中に無意識にしていることが多いため、寝ている間に歯を守るマウスピース型の「ナイトガード 」が効果的です。

酸蝕歯
食べ物や飲み物に含まれる酸によって、お口の中が酸性に傾き、
歯の外側のエナメル質が柔らかくなり、
ダメージを受けやすくなっている歯を酸蝕歯といいます。
酢やレモンなどの柑橘系の他に、糖分の多い清涼飲料水やスポーツドリンクも歯のエナメル質を溶かします。
外傷(ぶつけた)
交通事故などの強い外的な力がかかり、歯が欠けたり抜け落ちてしまったりすることがあります。
そんな時、欠けたのではなく、抜けてしまった時、歯を植え直すことができる場合もあるので、
早急に受診しましょう。
どうすればいい?」
- 噛み合わせが悪くなり他の歯も欠けてしまう
- 欠けが大きくなり、中がむき出しになり歯がしみる
- 汚れがたまりやすくなり虫歯ができやすくなる
など、更なる歯のダメージが広がる可能性があります。
歯が欠けてしまった時の治療方法
歯の欠けた状況によって治療方法がかわってきます。
小さく欠けた
歯科用のプラスチックで修復(コンポジットレジン)
欠けている部分が小さい場合、白いプラスチックを詰めて補います。
セラミックや金属と比べると強度は劣りますが、保険適用で治すことができます。
また余分に歯を削る必要がありません。
ラミネートベニア
歯が欠けてしまったところをごく薄く削り、薄いセラミックを貼り付けます。
セラミックは変色せず、表面がすり減ることがありません。
周りの歯と色も合わせやすく、
長期的に自然な美しさを維持でき、
歯を削る量が少ないのもメリットです。自費の治療です。
欠けた部分が大きい場合はこの治療を行うことはできません。
中くらいに欠けた
主な治療方法は被せ物で欠けた歯の全体を覆います。欠けた歯の状態によっては詰め物の治療の場合もあります。
保険の被せ物
前歯の場合、金属のフレームの上にプラスチックを盛り付けた被せ物や金属の被せ物で治療します(補綴治療)。
長期間、使用するとプラスチックが変色したり、すり減ったりしてきます。金属の被せ物も同様に摩耗します。
セラミックの被せ物(自費の治療)
セラミックの被せ物は、強度や耐久性に優れています。
そして周りの歯と色を合わせやすいので違和感なく綺麗に仕上げることができます。
前歯のように目立つところや強い力がかかる歯を損傷した場合はセラミックの被せ物がおすすめです。
セラミックには色々な種類があります。
また、セラミックの被せ物は歯と強くつけることができ、2次虫歯になりにくいのも大きなメリットです。
セラミックの種類について
大きく欠けた
歯の神経が露出している場合、神経を残せるか残せないかで治療方法が変わってきます。
神経を残せる場合
神経を保護し被せ物をします。
神経が残せない場合
神経を除去した後、歯の根っこの治療(根幹治療)を行います。その後、被せ物で歯全体を覆います。
神経を残せるかどうかの判断は歯科医師によって変わってきます。
神経を取ってしまった歯は脆く弱くなってしまうため、できるだけ神経を残したいものです。

ひどく割れた、折れた
歯を支えている歯槽骨より下(骨縁下組織)まで歯が破損してしまった時、
歯を残すことが難しく、抜歯になってしまう場合があります。
抜歯後は、
- 入れ歯
- ブリッジ
- インプラント の治療を選択することになります。

外傷で抜け落ちてしまった
大きな力が加わり、歯が抜け落ちてしまった時は、迅速な応急処置で歯を残せる場合もあります。
抜けてしまった歯を保存液(無ければ生理食塩水、牛乳)につけて、歯科医院で診察を受けてください。
歯が欠けた時、どうすればいい?(注意点と応急処置)
特に事故などで歯が折れた、抜けてしまった場合は応急処置が大切です。
- 欠けたところは触らない
- 抜けてしまった歯は保存する
- 痛みがあれば、市販の痛み止めを服用しても問題ありません。
手や舌で患部を触らないようにしてください。ばい菌が入って更に悪化させたり、舌や口の粘膜を傷つけたりします。また、消毒したりしないでください。
抜けてしまった歯は決して水道水で洗ったり消毒したりせず、歯を保存液(生理食塩水や牛乳)につけて、速やかに歯科医院で治療を受けてください。 短時間であれば、口に含んだまま歯科医院にお越しください(のみ込まないように注意してください)。 抜けたお口の状態にもよりますが、抜けてしまった歯を生かすことができるかもしれません。
よくある質問
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歯が欠けたら(割れたら)抜くしか方法はないのですか?
かつては、歯が欠けたり、割れたりすると抜歯しか方法がありませんでした。
歯が残せる条件が揃っている前提ですが、近ごろは、歯科用接着剤や技術の発達などで歯を抜かなくてもすむことが増えています。 歯を残せるかどうかは時間の経過が大きく関係しています。 できるだけ早く受診をしてください。
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小さく歯が欠けました。放っておいても大丈夫?
小さい欠けで痛みもないからと言って そのまま放置していると、 歯の表面の欠けがだんだんと広がり、神経にまで至ってしまったり、亀裂の部分から細菌感染を起こし、最悪の場合は 歯を抜かなくてはいけなくなったりします。
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ラミネートベニアってどんな治療方法ですか?
歯の表面をごくわずかに削り、ご自身の歯の色と合わせた薄いセラミックを貼り付けます。
小さく欠けた時や歯と歯の隙間がある場合など歯の形を整えるための治療です。 被せ物の治療よりも 歯の表面のエナメル質を残して薄く削るだけなので、 歯の神経にも影響がありません。
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歯が欠けた時の治療費はいくらぐらい?
保険を適用する場合、診察・検査などの費用を含めて 2,000〜4,000円ほどで治療ができます。
保険適用内で治療が可能です。
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欠けた歯の治療方法は?
欠けた部分の大きさで治療方法は変わります。
小さければ、プラスチックの詰め物で保険治療で治すことができますが、中くらいに欠けている場合は、金属の詰め物を充填したり、歯全体を被せる必要があります。
プラスチック製の被せ物や銀歯(銀の詰め物も含む)は時間の経過で磨耗します。そのリスクの軽減や見た目を重視される場合は自費の治療を選択される患者さまも多いです。
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歯が欠けたので、接着剤でくっつけたいのですが…
欠けた歯や詰め物が外れてしまった時、瞬間接着剤などでくっつけようとする方がおられますが、おやめください。工作用(工業用)の接着剤では、噛む力に耐えられません。工業用の接着剤は、人体に有害な溶剤を含んでいることもあり、お口の中で炎症を起こす可能性があります。
そしてくっ付いた場合は、外すために、本来よりも必要以上に歯を削らなければならないこともあるからです。
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歯が欠けた時の応急処置はどうしたらいいですか?
欠けた部分を、手や舌で触れないようにしてください。更に割れたり症状を悪化させてしまうことがあります。また欠けた歯の表面はザラザラしています。舌や唇を傷つけることもあるので、欠けた部分の大小に関わらず、放置せずにすみやかに受診してください。
欠けた歯がある場合は、保存して歯科医院へ持って行ってください。歯の状態や保存されている状態によっては、修復に用いることができる場合があります。
保存方法は、冷たい牛乳か生理食塩水、あれば「歯牙保存液」に欠けた歯を浸してください。欠けた歯は絶対に乾燥させたり、消毒したり水道水で洗ったりしないでください。
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子どもが転んで歯が欠けてしまいました、どうすればいいですか?
放置せず、できるだけ早く歯科医院へ来院してください。
あとから生えてくる永久歯に悪い影響を与える場合もあります。もし欠けた歯が残っている場合は乾燥させず保管して、持参してください。補修に使えるかもしれません(歯の状況や保存の状態によります)。
保存の方法は、牛乳や生理食塩水、ほか「歯牙保存液」に浸してください。学校では「歯の保存液」や「生理食塩水」を置いているところが多いです。
治療方法は歯が小さく欠けたか、大きく欠けて、中の神経まで見えてしまっているのかなど、状態によって、処置が異なります。
欠けた程度が軽い場合は、ほとんど問題にならないことが多いのですが、 ぶつけた時、神経が死んでしまうことがあります。そのような場合は1ヵ月ほどで黒ずんできます。
乳歯の場合は、下に控えている永久歯が変色したり、むし歯になったりするため歯科医院で壊死した神経を除去する必要があります。 アルプス歯科の小児歯科
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歯が欠けてしまったのですが、すぐに歯医者に行けない場合は?
歯が欠けた部分を舌や手で触れないでください。
欠けた部分によって口内が傷ついたり、更に痛みを増したり欠けたりします。 また触れることによって むし歯になったりする恐れがあります。
痛みがある場合は、鎮痛剤を服用してください(市販薬でかまいません)。
できるだけ早く歯科医院で受診してください。
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欠けた歯が黒くなってきました。どうしたらいいですか?
欠けた歯に痛みがある場合は、むし歯の可能性があります。できるだけ早く治療してください。
痛みがなく黒くなってきている場合は、水分や栄養を供給する神経が死んでしまい、変色してしまっている可能性があります。神経が死んでしまい黒く変色してしまった場合は、もとに戻すことができません。
治療方法として、歯の内側から薬剤をいれて歯を白くする「ウォーキングブリーチ」やセラミック製の歯を貼るラミネートべニアやセラミックの被せ物などの「セラミック治療」が考えられます。また、炎症を起こしている場合は「根管治療」が必要な場合もあります。 神経を失った歯を白くする「ウォーキングブリーチ」について 「ラミネートべニア」について 「根管治療」について