予防歯科
一生、自分の歯で過ごしたい
むし歯や歯周病になってから歯科医院を訪れる方が多いのではないでしょうか?
シニア世代(60代以上)に、「失って後悔していること、変化してほしくなかったことは何ですか?」のアンケートをとると、「髪の毛」や「体型」をおさえ、第1位は「歯」と答え、最も多い結果となりました。
調査内容
・調査対象: 60代以上 男女400名
・調査方法: インターネット調査
・調査時期: 2017年10月
・調査設計: アンケート調査
シニア世代が、「若いうちから歯のケアをしておけば良かった」と後悔している結果から、若年層からの歯のケアの大切さがわかります。症状がでる前にしっかりとケアし、お口の健康を守っていきましょう。
お口の健康に意識が低い日本人
80才以上の日本人の歯は10本ぐらいしか自分の歯が残っていません。
それに比べ、欧米の人は、80才以上で約20本の歯が残っていると言われています。その違いの原因は、日本の「痛くなったら歯科医院で治療する」ではなく、「痛くなる前に予防する」の欧米での考え方の違いからと言われています。
参照元:日本臨床歯周病学会
痛くなってからでは遅い
痛くなったら歯科医院で治療をする、またトラブルが発生したら歯科医院への繰り返しでは、いずれ歯はなくなってしまいます。むし歯も歯周病も症状を感じる時には進行してしまっており、既に治療が難しい時もあります。
歯科医院で定期的なケアを受けている人の残存歯(残っている歯)の数は、治療のみで歯科医院へ通っていた方よりも多いのです。
- 歯を失うと、硬いものが食べにくいなどの食事の制限や話しにくいなど、生活の支障や外観の見ばえにも関係してきます。
- お口の健康を守るため、症状がでる前に、歯科医院で定期的なケアを受けることが重要です。
予防歯科って何?
予防歯科とは、歯科医院で行う「プロケア(プロフェッショナルケア)」と、ご自身で行う「ホームケア(セルフケア)」のことです。
定期的な歯科医院のケア(プロケア)
痛みなど自覚症状がでる前のケアなので治療ではありません。
- むし歯や歯周病(歯ぐき)の検査
- 噛み合わせのチェック
- スケーラーという器具による歯石除去
- むし歯の予防(フッ素塗布)
- 歯みがきの指導
歯科衛生士による正しい歯みがきの指導とは
- みがき残しやすい場所を教えます
- 正しい歯みがきの方法
歯並びや利き手の具合によって、みがき方の癖や磨き残しの箇所が人によって異なります。みがけていない箇所を把握することで、磨き残しが少なくなります。
力のいれすぎや誤った方向の歯みがきは、歯や歯ぐきを傷つけてしまいます。また歯間ブラシやフロスの使い方も同様です。
正しいブラシの当て方や歯間ブラシやフロスの使い方を指導します。
多くの人が歯をみがいているつもりでも、歯はみがけていなかったりするのが現状です。
間違った歯みがきで、歯ぐきが退縮してしまったり、歯がすり減ってしまったりします。
人によって歯の形や生え方の角度などは異なるので、正しい歯みがきを習得しましょう。
自宅でのセルフケア
ご自身が自宅で行うお口のケアのことが「ホームケア」です。
プロケアかホームケアか歯にとってどちらが大切なのでしょうか?
歯科医院でのケアを3ヶ月に1度定期検診を受けたとしたとして歯のケアの時間は年間4時間。
自宅で5分間の歯みがきを行ったとしたら、年間約30時間です。
このように自宅で歯みがきをする時間の方が圧倒的に多く、お口の健康を維持するためには、何よりも自分自身で行う日頃のホームケアが重要なのです。
ホームケアでは、歯間ブラシやフロスを使用して、歯垢をおとし、正しいブラッシングで歯ブラシを歯に当てて磨いていきましょう。
歯みがきは、個人の歯のみがき方のくせや磨き残しのないように歯科衛生士の指導の「正しい歯みがき」がおすすめです。また歯科医院では、歯ブラシの種類や歯磨き粉のアドバイスもあります。
定期的に歯科医院でケアを受け(プロケア)、自宅で毎日正しい「セルフケア」を行うことが予防歯科です。「治す」から「守る」治療で歯の健康を維持していきましょう。
予防歯科は将来にかかる医療費を抑えます
歯のトラブルがあると、食事の偏りや歯並びが悪くなったりするため、糖尿病や骨粗しょう症や肩こりなどを引き起こし、体全体に影響を及ぼすと言われています。
そして歯を失うと糖尿病や認知症、脳梗塞や心筋梗塞など体の疾患のリスクを高めます。
調査によると
- 48才までは、歯科医院へ定期的なケアを受けている人の医療費は平均の医療費よりも高額になっています
- 49才を超えると平均よりも安くなっていき、その差は広がっていきます。
- 65才で15万円の差があります。
※【調査について】
組合員5万2600人の2009年度の医療費と受診歴のデータを分析し、歯石除去など予防を目的に定期的に受診した人602人を対象に総医療費を調べた。
予防歯科を行うと・・・
- むし歯・歯周病を未然に防ぐ
- 治療時の痛みを軽くする
- 将来にかかる医療費を抑える
アルプス歯科の予防歯科
当院の定期ケアについて
当院の予防歯科ポイント
- 予防意識を高めるカウンセリング
生活習慣の改善から歯みがき指導まで毎日のケアを指導いたします - 担当制歯科衛生士
ひとりの歯科衛生士が継続して担当しますので、患者さまのお口の中の変化にも気づきやすく、よりきめ細かなケアを行うことが可能です。 - 完全個室
ゆったりとした状態でケアを受けていただけます
PMTCについて
保険で行う歯石除去は、歯周病の人に適応される治療です。
一度では終了せずに数回に分けて行われますが、PMTCは治療ではなく、予防のための定期ケアなので、PMTCは保険が適用になりません(自費)
PMTCは、歯石除去だけではなく、歯みがきや歯石とりでは取れない着色も落とすことができます(ステインの除去)。
また、むし歯や歯周病の原因となる汚れや着色を防ぐコーティングも行い、歯の表面を回復させ、光沢のある状態にもどしていきます。
- 着色汚れを除去したい方
- 口臭を予防したい方
- ブリッジや被せ物がある方
- 矯正治療中の方
子供の予防歯科
子どもの歯が生えそろった幼児から永久歯に変わっていく小児期は、お口の状態も変化していきます。子どもの口の中は大人とは違うので、異なった方法で予防歯科を進めていきます。
指しゃぶりや口呼吸や頬づえなど「お口まわりの癖」に注意し、将来、健全な歯並びとお口の健康を保ちやすくします。
- むし歯のチェック
- 歯ぐきの検査
- 歯のクリーニング
- 歯並びのチェック
- むし歯の予防(フッ素塗布、シーラント)
子ども特有の予防ケアについて
- 歯並びチェック
歯並びが悪くなると、歯が磨きにくく、むし歯になりやすいので、歯並びの状態を見ていきます。あごの成長にあわせて、良い歯並びに誘導するようにチェックしていきます。 - むし歯予防
フッ素塗布
フッ素を塗って歯を丈夫にし、むし歯に負けない歯を作ります。シーラント
歯の噛み合わせの面の溝をコーティングし、むし歯にかかりにくいようにします。
予防歯科の役割
- 歯のクリーニングで歯垢や歯石を除去し、むし歯や歯周病の予防をします
- 定期的な検診でむし歯や歯周病の早期発見し、治療します
予防歯科は、むし歯や歯周病にかからないように、悪化しないように行う大切な治療です。歯の健康を維持することは、生活の質を高め、明るく健康にすごすことにつながります。歯科医院での定期ケア(プロケア)と日々のご自身のセルフケアと共に、一生自分の歯で過ごせるようにサポートしていきます。