セラミック治療 後悔しないための正しい選び方
「セラミック治療って実際どうなの?」「セラミックの被せ物のメリットとデメリットを知りたい」
このような疑問をお持ちの方へ、この記事では、セラミックの被せ物治療についての基本的な知識から、他の材料との違い、メリット・デメリット、選ぶポイントまで、わかりやすくご紹介します。
こんなときに「セラミック治療」を考える場面があります
歯のトラブルや見た目の悩みなど、様々なことがきっかけでセラミック治療を検討する場面があります。
ケース①:虫歯や破折で歯が大きく欠けたとき
詰め物では補いきれない場合、歯全体を覆う”被せ物(クラウン)”が必要になります。
ケース②:見た目の悩みを解消したいとき
「銀歯がはずれた」「前歯の色が気になる」「歯並びを自然に見せたい」など、審美目的でもセラミックは選ばれています。
セラミック治療が気になるタイミングは?
「虫歯で大きく歯を削ることになった」「銀歯が目立って気になる」「白い被せ物にしたい」
このようなタイミングで、保険の銀歯ではなく、自費のセラミックを検討される方が増えています。
セラミック治療とは?|素材の特徴と種類
ここでは、セラミック素材の基本を説明します。
セラミックとは、陶器をベースとした歯科用の人工素材です。
天然の歯に近い色と透明感があり、見た目の美しさに優れた治療法として人気があります。
セラミックの歯に使われる代表的な素材
素材名 | 特徴 | 適した部位 |
---|---|---|
オールセラミッククラウン | 金属を一切使わない、自然な色合いで前歯に最適 | 前歯など審美性重視の部位 |
ジルコニアクラウン | 高強度で奥歯にも使える、金属不使用 | 奥歯や噛む力が強い部位 |
E.max(イーマックス) | 審美性と強度のバランスが良く、前歯~小臼歯に最適。 | 前歯・小臼歯 |
メタルボンドクラウン | 内部は金属、外側はセラミック。割れにくく強度に優れる。 | 内部は金属、外側はセラミック。割れにくく強度に優れる。 |
素材名 | オールセラミック |
---|---|
特徴 | 金属を一切使わない。自然な色合いで前歯に最適。 |
適した部位 | 前歯など審美性重視の部位 |
素材名 | ジルコニアクラウン |
特徴 | 高強度で奥歯にも使える。金属不使用。 |
適した部位 | 奥歯や噛む力が強い部位 |
素材名 | E.max(イーマックス) |
特徴 | 審美性と強度のバランスが良く、前歯~小臼歯に最適。 |
適した部位 | 前歯・小臼歯 |
素材名 | メタルボンドクラウン |
特徴 | 内部は金属、外側はセラミック。割れにくく強度に優れる。 |
適した場所 | 奥歯・ブリッジなど強度が必要な部位 |
セラミッククラウン・インレー(詰め物)のメリット・デメリット
「詰め物」と「被せ物」の違いとは?
種類 | 内容 | 適用ケース |
---|---|---|
詰め物(インレー) | 削った部分に部分的に詰める | 小〜中程度の虫歯 |
被せ物(クラウン) | 歯全体を覆って修復する | 大きく失われた歯、審美改善。 |
種類 | 詰め物(インレー) |
---|---|
内容 | 削った部分に部分的に詰める |
適用ケース | 小〜中程度の虫歯 |
種類 | 被せ物(クラウン) |
内容 | 歯全体を覆って修復する |
適用ケース | 大きく失われた歯、審美改善 |
次に、それぞれの素材の長所と注意点を確認しましょう。
メリット
- 見た目が自然
- 金属アレルギーなし
デメリット
- 割れやすい場合あり
(奥歯には不向きなことも)
- 非常に硬く長持ち
- 色も自然
デメリット
- 透明感は他のセラミックに劣ることも
- 自然な透明感
- 十分な強度
- 強い力にはやや不向き
メリット
- 割れにくく強度がある
デメリット
- 金属が透けて見える
- 歯ぐきが黒ずむ可能性あり
セラミック治療の選び方
素材の種類ごとに特徴があり多種あるので、「どれを選べば良いか迷う…」という方は、以下を参考にしてください。
- 前歯など見た目重視: オールセラミック、E.max
- 奥歯など噛む力が強い部位: ジルコニア
- 金属アレルギーが心配: 金属不使用のセラミック素材(オールセラミック・ジルコニア)
セラミック vs 他の材料|何が違うの?
セラミックは従来の銀歯やメタルボンドとどう違うのか、気になる方も多いはずです。ここでは、それぞれの違いを簡単に整理します。
① 金属vsセラミック 〜金属との違い〜
比較ポイント | 金属(銀歯など) | セラミック |
---|---|---|
見た目 | × 目立つ | ◎ 自然な透明感 |
金属アレルギー | ∆ 起こる可能性あり | ◎ なし |
劣化 | ∆ 変色や金属の溶け出し | ◎ 変色しにくい |
保険適用 | ◎ 保険で安価 | × 自費(高額) |
金属(銀歯など) | |
---|---|
見た目 | × 目立つ |
金属アレルギー | ∆ 起こる可能性あり |
劣化 | ∆ 変色や金属の溶け出し |
保険適用 | ◎ 保険で安価 |
セラミック | |
見た目 | ◎ 自然な透明感 |
金属アレルギー | ◎ なし |
劣化 | ◎ 変色しにくい |
保険適用 | × 自費(高額) |
② メタルボンド vs セラミック
比較ポイント | メタルボンド | オールセラミック |
---|---|---|
内部素材 | 金属 | セラミック100% |
見た目 | ∆ やや不透明 | ◎ ナチュラルな光沢 |
耐久性 | ◎ 丈夫 | ◎ 割れにくく改良進む |
金属アレルギー | ∆ リスクあり | ◎ なし |
メタルボンド | |
---|---|
内部素材 | 金属 |
見た目 | ∆ やや不透明 |
耐久性 | ◎ 丈夫 |
金属アレルギー | ∆ リスクあり |
オールセラミック | |
内部素材 | セラミック100% |
見た目 | ◎ ナチュラルな光沢 |
耐久性 | ◎ 割れにくく改良進む |
金属アレルギー | ◎ なし |
「セラミックって良いの?絶対だめ?」
あなたに合うかどうかがカギ
これまでの情報をふまえて、セラミック治療の良し悪しを整理してみましょう。
- 天然歯に近い美しさで見た目がとにかく自然
- 金属を使わないので体に優しい
- 汚れがつきにくく、虫歯や歯周病の予防にも良い
- 経年劣化しにくく、長期的に安定
- 保険適用外のため費用が高い
- 強い衝撃で割れる可能性(→咬み合わせ調整で予防
- 精度の高さが求められるため、歯科医院選びが重要
こんな方にはセラミック治療がおすすめ!
では、実際にどのような方にセラミック治療がむいているのでしょうか?
- 銀歯を白くしたい方
- 口元が気になって口を開けて笑うことに抵抗がある方
- 金属アレルギーが心配な方
- 長持ちする治療を選びたい方
次に、セラミック治療を選択する際に後悔しないために意識しておきたいポイントをご紹介します。
セラミック治療で後悔しないためのポイント
1.費用と耐久性のバランスを考える
見た目の良さに加え、「どれくらいもつか?」という視点も大切。
セラミックはメンテナンス次第で10年以上の使用も可能です。
2.治療後のメンテナンスを意識する
セラミックはプラークがつきにくいとはいえ、毎日のケアや定期的なクリーニングは欠かせません。
3.経験と実績のある医院を選ぶ
セラミックの技術には精密な調整が必要です。症例写真や説明がしっかりしている歯科医院を選びましょう。
セラミック治療の費用の目安(自費診療)
治療を検討するうえで、費用はとても重要な判断材料です。以下は一般的な目安です(医院によって異なります)。
治療内容 | 費用の目安(税込) | 特徴 |
---|---|---|
セラミックインレー(詰め物) | ¥40,000〜¥80,000 | 小さな虫歯の修復に |
オールセラミッククラウン | ¥80,000〜¥150,000 | 見た目にこだわりたい方に最適 |
ジルコニアクラウン | ¥90,000〜¥160,000 | 強度が必要な奥歯におすすめ |
メタルボンドクラウン | ¥80,000〜¥130,000 | 内側が金属、外側が白いセラミック |
セラミックインレー(詰め物) | |
---|---|
費用の目安(税込) | ¥40,000〜¥80,000 |
特徴 | 小さな虫歯の修復に |
オールセラミッククラウン | |
費用の目安(税込) | ¥80,000〜¥150,000 |
特徴 | 見た目にこだわりたい方に最適 |
ジルコニアクラウン | |
費用の目安(税込) | ¥90,000〜¥160,000 |
特徴 | 強度が必要な奥歯におすすめ |
オールセラミッククラウン | |
費用の目安(税込) | ¥80,000〜¥150,000 |
特徴 | 見た目にこだわりたい方に最適 |
メタルボンドクラウン | |
費用の目安(税込) | ¥80,000〜¥130,000 |
特徴 | 内側が金属、外側が白いセラミック |
※当院の「ジルコニアセラミッククラウン」はジルコニアの上に透明感の高いセラミックを重ねたもの。全てセラミックの素材(オールセラミック)ではありません。
※ジルコニアクラウンは当院の「スタンダードジルコニア」に該当します。
※メタルボンドクラインは当院の「メタルセラミッククラウン」に該当します。
セラミック治療は“選べる時代”へ
セラミック治療は、「選べる治療」へと変化してきています。
確かに費用はかかりますが、その分見た目・健康・快適さを長く維持できる選択肢でもあります。
この記事を通して、「自分に合う治療がわかって安心できた」「これで前に進める」と感じてもらえたら幸いです。
まとめ:納得できる選択を
セラミック治療は、「ただ白い歯にするための治療」ではなく、ご自身の健康・見た目・快適さを長く守る選択肢のひとつです。
不安や疑問はそのままにせず、まずはご相談から始めてみてください。
きっとあなたに合った治療が見つかると思います。
不安な点があれば、遠慮なくご相談ください。あなたにとって最良の選択を、一緒に考えていきましょう。
よくあるご質問【Q&A】
A:絶対に割れないわけではありません。
ただし、現在のセラミック素材は非常に進化しており、しっかり噛み合わせを調整すれば、十分な強度があります。
特に奥歯に使用する場合は、ジルコニアなどの硬めのセラミックがおすすめです。
A:通常、麻酔を使って治療するので痛みは最小限です。
治療後に違和感やしみることがある場合もありますが、多くは一時的なものです。
A:通常、2∼3回(2∼3週間前後)の通院で完了します。
ただし、状態によっては仮歯の期間が必要になることもあります。
A:保険の白い素材(CAD/CAM冠など)はプラスチックが主成分で、強度・色調ともにセラミックより劣ります。
セラミックは見た目も自然で、変色しにくく、長持ちするのが大きな違いです。
A:セラミックそのものは虫歯になりませんが、歯と被せ物の境目から虫歯になることがあります。
セルフケアと定期検診は引き続き必要です。