親知らずが痛い時、すぐできる対処法
親知らずの痛みは、突然やってきて日常生活に大きな支障をきたすことがあります。「どうすれば痛みが和らぐのか」「抜歯後はどのような食事をとればよいのか」と悩まれる方も多いのではないでしょうか。実際、毎年多くの方が親知らずの抜歯を経験していますが、術後の食事選びに不安を感じる方は少なくありません。
この記事では、
痛みが気になる時の基本的な対処法から、親知らず抜歯後の食事に関する注意点や、通常の食生活に戻すまでのステップをわかりやすくご紹介します。
正しい知識を身につけ、スムーズな回復を目指しましょう。
この記事でわかること
- 親知らずの痛みを最小限に抑える方法
- 抜歯後のスムーズに回復する方法
- 抜歯後の食事で気をつけること
- 抜歯後、生活で気をつけること
親知らずの痛みがあるときの基本的な対処法
親知らずが痛む場合、まずは以下のような対処をお試しください。
- 1.冷やす:
患部を冷やすことで炎症を和らげ、一時的な痛みを軽減することができます。保冷剤や冷やしたタオルを頬にあて、10分程度を目安に行いましょう。 - 2.市販の鎮痛剤を服用:
用法・用量を守った上で、市販の痛み止めを服用すると、一時的な痛み緩和に役立ちます。ただし、長期間の服用や症状が悪化する場合は歯科医院へ相談してください。 - 3.口腔内を清潔に保つ:
刺激の少ない歯磨きやうがいで、口の中を清潔に保ちましょう。食べかすが溜まらないよう注意することが大切です。 - 4.無理をしない:
強い痛みがあるときは無理に硬いものを噛むのは避け、安静に過ごしてください。
痛みが続く場合や腫れ、発熱がある場合は、できるだけ早めに歯科医院を受診することをおすすめします。根本的な原因を把握し、適切な治療を受けることで、長期的なトラブルを防ぐことができます。
親知らずの痛みが続く時は抜歯に至ることも
痛みが続く場合、抜歯が必要になるケースもあります。
実際、親知らずは正常に生えずに、歯茎や周囲の組織に炎症を起こすことが多く、その結果として抜歯に至るからです。
次に抜歯の後、どのように過ごしたらいいのかについて「食事」と「生活」に分けてご紹介します。
親知らず抜歯後の食事について
「親知らず抜歯後の食事」は、患者さまから最も多く寄せられるご質問のひとつです。
抜歯後は傷口が非常にデリケートな状態です。食事内容や食べ方に注意すると、痛みや炎症の軽減、スムーズな治癒ができます。
抜歯直後(麻酔が切れるまで)の注意点
- 感覚が鈍っている間は食べない:
麻酔が残っていると、頬や舌を噛んだり、やけどしても気づかないことがあります。感覚が戻るまでは、ゼリーやプリンなど、噛まなくてよい常温の食品を少量、試す程度にしましょう。 - 水分補給は控えめに:
止血のため、術後30分程度はガーゼで圧迫し、それまで多量の水分摂取は避けてください。
術後24時間以内の食事選び
抜歯後24時間は特に傷口がデリケートな状態です。
- 温度に配慮:
熱すぎるものは避け、常温や冷たい食品(常温のヨーグルト、プリン、冷ましたおかゆなど)を選んでください。 - 傷口と反対側で噛む:
抜歯部位と反対の歯でゆっくり噛むことで、傷口への刺激を減らします。
術後1週間までの段階的な食事の進め方
術後2~3日は腫れや痛みが続くことがあります。この期間は無理をせず、徐々に食べられるものを増やしていきましょう。
2~3日目
ビタミンやたんぱく質が摂れる柔らかい食事(豆腐、卵料理、すりつぶした野菜、やわらかい白身魚など)を少しずつ増やします。
4~7日目
半分ほど噛んで飲み込める硬さの食材へステップアップします。おかゆから七分がゆへ移行するなど、徐々に通常食に近づけていきましょう。
この期間も、基本は「抜歯した側を避けて噛む」ことが大切です。
避けたほうがよい食品と代替案
抜歯後は、傷口を刺激しやすい食べ物や硬い食材は避けるべきです。
避けるべき食品
- 刺激物(香辛料、辛い料理、熱々のスープ):
炎症を悪化させる可能性があります。 - 硬い食べ物(せんべい、ナッツ類):
傷口を傷つけ、出血や感染を引き起こす恐れがあります。 - 歯にくっつく食品(ガム、キャラメル、餅):
傷口に付着しやすく、衛生面で問題が生じます。 - アルコール類:
血行が良くなり、出血や腫れが長引く可能性があります。
おすすめの代替食品
避ける食品 | 代替例 |
---|---|
辛いカレー | クリームシチュー、 ポタージュスープ |
固いパン | おかゆ、 やわらかいうどん |
硬い菓子 | プリン、ヨーグルト |
アルコール飲料 | 常温の水、ノンカフェイン飲料 |
これらの代替食品を活用することで、十分な栄養を確保しながら傷口への負担を軽減できます。
通常の食事に戻すタイミングとポイント
個人差はありますが、抜歯後1週間~10日程度で通常の食事に近づける方が多いです。判断基準として、次の点を確認してください。
- 痛みや腫れがほぼ失くなる
- 口が無理なく開く
- 傷口が触れても痛まない
- 出血がない
これらが整えば、徐々に固形物や普段の食事へ移行できます。ただし、違和感があれば無理せず、一段階前の柔らかい食事に戻しましょう。新しい食材を取り入れる時は少量から始められることをおすすめします。
抜歯後の生活上の注意点
食事以外にも、抜歯後は生活面での配慮が求められます。
- 口腔ケア:
抜歯当日は抜歯部位を避けて軽く歯磨きし、翌日からは柔らかい歯ブラシで丁寧に磨きましょう。強いうがいは避け、処方されたうがい薬や消毒液は指示に従って使用します。 - 安静に過ごす:
当日は激しい運動や入浴は控え、翌日からぬるめのお湯で短時間の入浴にとどめてください。 - 禁煙・禁酒:
最低1週間は避けることで、治癒を早め、合併症を防ぐことが期待できます。 - 異常時は連絡:
大量出血、発熱、強い痛みや異臭がある場合は、すぐに歯科医院へご相談ください。
まとめ-適切な処置で親知らずの痛みを最小限に!
親知らずが痛いとき、そして抜歯後の食事は、多くの方が不安を抱えるポイントです。しかし、適切な知識を持って対処すれば、痛みを最小限に抑え、スムーズな回復が可能になります。
- 痛むときは冷却や市販薬の適正使用、口腔内の清潔保持を優先
- 抜歯後は柔らかい食事から徐々に固形物へ移行し、刺激物や硬い食材は避ける
- 傷口の状態や痛みを確認しながら、焦らず段階的に食事を元に戻す
- 十分な休息と禁煙・禁酒、適度な口腔ケアで治癒をサポート
1週間以上経っても痛みや腫れなどが軽減しない場合は、症状が長引く恐れがあるため、速やかにかかりつけの歯科医院へいかれることをおすすめします。